27 3月 2011 @ 1:58 PM 
 

07. TCS4環境考察

 

■STOR環境 三つ巴の大合戦
大幅な規制によって「インフェルニティ」が消え、2010年9月制限環境は、「旋風BF」「デブリダンディ」の二強で始まりました。
しかし、『Storm of Ragnarok』登場によって、環境は大きな変化を遂げます。

◎「六武衆」の逆襲
真六武衆-シエン
真六武衆、と称して一気に梃入れが施されたのが「六武衆」です。
潤沢なドローサポートによってパーツを一気に集め、遊戯王史上稀に見る制圧力を誇る《真六武衆-シエン》によって盤面に蓋をして、大量の「六武衆」で攻める、超強力なコントロールデッキです。

新カードのパワーを遺憾なく発揮する「六武衆」ですが、他デッキと異なりデッキを回転させるカードが1/4を占めているためどんな状況でも機能しやすく、《真六武衆-シエン》で場を制圧する、というコンセプトが明確である事から一個のデッキとして扱いやすいという特徴があります。また、《真六武衆-シエン》だけに依存しているわけではなく《ナチュル・パルキオン/Naturia Balkion》や《ナチュル・ランドオルス/Naturia Landoise》といった、環境に適応した制圧力の高いモンスターを使える事もまた、「六武衆」の強みと言えるでしょう。

◎カード評価の大幅な変化
今期の環境を見直す上で、大きな流れが二回ありました。
一つ目は、《大嵐/Heavy Strom》の禁止。
大嵐
遊戯王をプレイする上で、最も懸念しなければならない要素の一つとしてプレイングに影響を与え続けてきたこのカードが消えた事により、全ての罠カードの評価が高まりました。
「二枚のカードを伏せると、《大嵐/Heavy Storm》一枚でアドバンテージを取られてしまう」という恐怖観念が無くなる事で、多くのカードを伏せる事ができるようになり、手札のカードを一気に伏せる勢いから「ガバ伏せ」という表現も流行しました。
これにより、大量の非公開情報の中から不確定なものを壊してしまう恐れのある《サイクロン/Mystical Space Typhoon》よりも、確実に消したいカードのみを消せる《盗賊の七つ道具/Seven Tools of the Bandit》や非公開情報がどれだけあっても全て無視できる《トラップ・スタン/Trap Stun》のようなカードが改めて注目されるようになりました。

二つ目は、上記にある通り、「六武衆」の登場。
「六武衆」のデッキの動きを支えるドロー・サポートとして《六武の門/Gateway of the Six》
《六武衆の結束/Six Samurai United》といった、永続魔法がある事から、メインボードには《サイクロン/Mystical Space Typhoon》が再び採用されるようになります。
この煽りを受けて、永続系カードに重きを置いたデッキは総じて衰退。
対策カードの選定においても、永続系カードは敬遠されるようになりました。
しかし、研究が進む中で、他デッキよりも安定して機能できるカードが正確な期待値の下で採用されている「六武衆」に対して、カードをぶつけるだけでは対応し切れない、という欠点が発見されるようになります。
先手を取られてしまえば絶対に《六武の門/Gateway of the Six》《六武衆の結束/Six Samurai United》を対策する事はできず、また自分が先手を取ったとしても、必ずしも対策カードが引けているわけではありません。
自分が《サイクロン/Mystical Space Typhoon》を引く確率よりも、相手が《六武の門/Gateway of the Six》《六武衆の結束/Six Samurai United》を引いている確率のほうが遥かに高いのです。
加えて、「六武衆」に効果的なカードは、他デッキに対してそこまで有効ではない事から、当初は注目された《サイクロン/Mystical Space Typhoon》はサイドボードに撤退し始めます。
サイクロン
しかし、「デブリダンディ」が《リミット・リバース/Limit Reverse》を採用するなどトップメタ各種にも大きな変化が見受けられ始めた事で《サイクロン/Mystical Space Typhoon》の評価も大きく変わってきます。

◎「警告」「月書」環境
「六武衆」登場によってさらに後押しされた二種類のカードが、《神の警告/Solemn Warning》と《月の書/Book of Moon》です。
神の警告
主流の除去として定着していた《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》ですが、《真六武衆-シエン》、《BF-極北のブリザード/Blackwing – Blizzard the Far North》、《ブラック・ローズ・ドラゴン/Black Rose Dragon》等、「奈落が効かない」もしくは「奈落を使ってもアドバンテージを取られてしまう」カードが環境に多く台頭してきたため、プレイを通さず確実に対抗できる《神の警告/Solemn Warning》に人気が集中し始めます。
また、《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》と異なり、他の追随(チェーン)を許さない点も利点として機能しています。

しかし、勿論弱点も存在します。それはやはりライフコスト。
《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》と比較した場合、奈落で消せないモンスターは必然とATK1500以下になるわけですが、その対価として2000のライフポイントを支払う事はその時点では等価とは言えません。また、数値が変動する《神の宣告/Solemn Judgment》のコストと異なり、どんな状況でも確固としたコストを支払わなければならないため、奈落と異なり「発動が不可能な場面」が存在する事も、弱点であると言えます。
しかし、《神の警告/Solemn Warning》で消したいモンスターは、総じて潤沢なアドバンテージを作り出すだけでなく、確実に2000以上のライフを将来的に持って行く根源となるため、その時点では等価に感じなくとも、マッチ三本勝負という長期スパンで考えれば、やはり利点のほうが多いのもまた事実です。
月の書
《月の書/Book of Moon》は、いずれの除去とも異なり、単体で見れば損をしてしまうカードです。しかし《神の警告/Solemn Warning》の流行から罠対策が一層意識されるようになった事から、敵が用意してきた対策カードを回避できる事、加えてフリーチェーンという高い汎用性を誇る事は何よりも評価され、「アドバンテージに繋がる相手のカードを対策する」という環境的観点に拠れば、必ずしも損をするわけではないカードであるという事が分かります。

目覚ましい変化を遂げ続けた2010年下半期。
残り三カ月あり、制限環境としては折り返し地点ではありますが、それにつけても超規模を誇るTCSの結果から理解できる激動の現環境。
以下の考察を通じて、一緒に見ていきましょう。

■第四回Tetsu Champion Ship ~テンノフダガミ~ デッキ傾向分析
◎デッキ分布
まずは、本選・予選のデッキ分布を見てみましょう
<本選>
10六武衆
10旋風BF
3天使
2デブリダンディ
2カエル
1墓地BF
1光デュアル
1墓守
1ドラゴン
1剣闘獣

<予選>
52旋風BF
37デブリダンディ
35六武衆
24天使
11光デュアル
8剣闘獣
6ライトロード
5ガジェ
4グッドスタッフ
3墓地BF
3ファンカスノーレ
3ドラゴン
3ドラグニティ
2インフェルニティ
2魔轟神
2ラヴァコントロール
2墓守
2アンデット
1カエル帝
1次元エアトス
1シルミル
1ヴァイロン
1X-セイバー
1フレムベル
1エーリアン
1次元斬
1トマハン
1ダークガイア
1シーラカンス
1パーデク
1堕天使
1マシンサイバー
1ブラック・デーモンズ・ドラゴン
1マインドスティーラー
1スクラップ
1図書エクゾ
1ナチュルバンブー
1ガスタ
1カラクリ
1爆風ライザー
1神
*ブロックリーダーの分が抜けている場合があります*

◎旋風BF 62名
「六武衆」を中心とした環境であるのは間違いありませんが、全体として
最多の使用率を誇ったのは「旋風BF」です。

黒い旋風
「旋風BF」は研究が始まって二年目に突入しようとしており、その時期の長さから多くの人に定着しているアーキタイプであると言えます。
確実なアドバンテージをもたらしてくれる《黒い旋風/Black Whirlwind》(《BF-蒼炎のシュラ/Blackwing – Shura the Blue Flame》も。)、コンバットトリックとしての《BF-月影のカルート/Blackwing – Kalut the Moon Shadow》、高いコントロール力を持つ《ゴッドバードアタック/Icarus Attack》が、このデッキの安定感を支える三本柱として存在しています。

ただし、全てのカードが「BF」モンスター・カードに依存する事から、《次元幽閉/Dimensional Prison》《スノーマンイーター/Snowman Eater》等に狙われてしまうと、他カードが機能しなくなってしまうという弱点を見抜かれた事、他にも《ゴッドバードアタック/Icarus Attack》は二枚のカードを置かなければ使えない、等「対抗プレイング」が確立してしまった事は「旋風BF」にとって向かい風ではありましたが、それにも増して高い安定性を誇る事から相変わらず支持されているデッキと言えます。

主な順位:3位、8位、本選8名進出
サンプル:Y.K.さん(福岡、ベスト32)
モンスター(18枚)
魂を削る死霊
ダーク・アームド・ドラゴン
BF-大旆のヴァーユ
BF-蒼炎のシュラ×3枚
BF-疾風のゲイル
BF-黒槍のブラスト×3枚
BF-月影のカルート×3枚
BF-極北のブリザード×3枚
BF-暁のシロッコ×2枚

魔法(12枚)
死者蘇生
黒い旋風
月の書×3枚
強欲で謙虚な壺×3枚
闇の誘惑
ブラック・ホール
サイクロン×2枚

罠(10枚)
聖なるバリア-ミラーフォース-
神の宣告
神の警告×2枚
激流葬
王宮の弾圧
ダスト・シュート
ゴッドバードアタック×3枚

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
A・O・J ディサイシブ・アームズ
BF-アーマード・ウィング
BF-アームズ・ウィング
BF-孤高のシルバー・ウィンド
インフェルニティ・デス・ドラゴン
ギガンテック・ファイター
ゴヨウ・ガーディアン
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ダークエンド・ドラゴン
ブラック・ローズ・ドラゴン
マジカル・アンドロイド
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
D.D.クロウ×3枚
スノーマンイーター×2枚
ドッペルゲンガー
パペット・プラント×3枚
次元幽閉×2枚
盗賊の七つ道具×2枚
連鎖除外(チェーン・ロスト)×2枚

◎六武衆 45名
真六武衆-キザン
たった一カ月で高い使用率を誇り、トップメタにまで上り詰めたのが「六武衆」です。
しかし従来のトップメタと異なり、アーキタイプが定まっていない事が六武衆の特徴でもありました。

 一.《諸刃の活人剣術/Double-Edged Sword Technique》型
 諸刃の活人剣術
 戦闘、展開と用途は多様で、「六武衆」の特権とも呼べる一枚。
 ノーコストで爆発的なアドバンテージを生み出します。 

 エンジンを使い切った後、六武衆は息切れしてしまう弱点が存在していた一方でそれをケアしてなお明確な勝ち筋を確立できる点が評価されていましたが、ゲーム序盤では、セット・プレイ共に扱いにくさが目立つ事、加えて罠である事からどうしても後手後手に回ってしまい、仕留めたい場面で相手を仕留める事ができない、など弱点が際立っていたようです。

 二.《成金ゴブリン/Upstart Goblin》型
 成金ゴブリン
 関東圏で開発された「六武衆」から一気に流行したタイプです。
 デッキに採用されているカードが全て強力な事から、どれにアクセスしても良い六武衆だからこそデッキトップに触る必要性に迫られ、多くのデッキに採用されるようになりました。

 また、デッキの1/4が山札に触れるドロー・サポートである六武衆が、《成金ゴブリン/Upstart Goblin》を採用する事で飛躍的に安定性が向上し、確実に握りたいカードを握れる事から、ミラーマッチを制する上でも有利に働く事が理解できます。
 他には、《ナチュル・ランドオルス/Naturia Landoise》のコストにあてられるカードが増えている等、構築全体としてのシナジーもあります。

 敬遠されている1000点のライフ贈与も、六武衆の打点で巻き返せるとされているのでしょう。

 三.《トゥルース・リインフォース/Reinforce Truth》型
 トゥルース・リインフォース
TCS4優勝者のデッキは、《諸刃の活人剣術/Double-Edged Sword Technique》が三積みされていた事に加え、《トゥルース・リインフォース/Reinforce Truth》が採用されていた事で特に注目されています。

 先手を取る事で非常に優位に立てる一方で、六武衆が後手に回った場合の盤面をケアする際、優秀な働きを見せていた模様です。六武衆のビートダウンを阻止できるとして注目を浴びていた《魂を削る死霊/Spirit Reaper》や《冥府の使者ゴーズ/Gorz the Emissary of Darkness》と同じ仕事をこなす《X-セイバー パシウル/X-Saber Pashuul》は、ミラーマッチを想定しても、シークレットテクとして十分に機能するカードであったと言えます。

 また、《魂を削る死霊/Spirit Reaper》と異なりチューナーでもあるため、四枚目からの 《六武衆の影武者》としても活躍。
 フリーチェーンである事から増加傾向にある《サイクロン/Mystical Space Typhoon》にも対応しており、環境を読んだ一枚であると言えます。

いずれの形にせよ、高いデッキパワーを誇る「六武衆」。
非常に回転が速い「六武衆」に対して対抗できるのもまた「六武衆」であるとして、「六武衆対策に六武衆を使う」という結論を出してデッキ選択を行った事もまた、プレイヤーたちが編み出した環境への回答と言えるのではないでしょうか。
今後も更なる研究がおこなわれそうです。

主な順位:1位、2位、5位、7位、本選7名進出
サンプル:由詩さん(福岡、5位)
モンスター(13枚)
六武衆の露払い
六武衆の師範×2枚
六武衆の影武者×3枚
真六武衆-キザン×3枚
真六武衆-カゲキ×3枚
メタモルポット

魔法(17枚)
六武衆の結束×3枚
六武の門×3枚
増援
紫炎の狼煙×3枚
死者蘇生
月の書×2枚
ブラック・ホール
ハリケーン
サイクロン×2枚

罠(10枚)
六尺瓊勾玉
聖なるバリア-ミラーフォース-
神の宣告
神の警告×2枚
諸刃の活人剣術×2枚
砂塵の大竜巻
王宮の弾圧
ダスト・シュート

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
A・O・J ディサイシブ・アームズ
TG ハイパー・ライブラリアン
ゴヨウ・ガーディアン
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ナチュル・パルキオン
ナチュル・ランドオルス
ブラック・ローズ・ドラゴン
ミスト・ウォーム
真六武衆-シエン×2枚
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク
不退の荒武者

サイドデッキ
A・ボム
D.D.クロウ
ドッペルゲンガー
パペット・プラント×2枚
群雄割拠×2枚
激流葬
砂塵の大竜巻
次元幽閉×2枚
邪神の大災害
抹殺の使徒
連鎖除外(チェーン・ロスト)×2枚

◎デブリダンディ 39名
TG ハイパー・ライブラリアン
「デブリダンディ」は、《TG ハイパー・ライブラリアン》を手に入れた事から、全国的に更に高い支持を得ていました。
デッキがシナジーの塊ともされる「デブリダンディ」は、その圧倒的パフォーマンスから「旋風BF」に対しても遅れを取る事なく、トークンを大量に並べる事から「六武衆」のビートダウンにも対応可能とされ、特に対抗馬として注目を浴びます。

新カードを手に入れる事はなかった「デブリダンディ」ですが、「六武衆」の登場により環境から《魔のデッキ破壊ウイルス/Deck Devastation Virus》が消えて追い風となった事、カード選定やそれに伴うプレイングを変化させる事で環境に残り続ける事に成功しました。

◆《ライトロード・マジシャン ライラ/Lyla, Lightsworn Sorceress》《トラップ・スタン/Trap Stun》の存在。
ライトロード・マジシャン ライラ
「デブリダンディ」対策として有名な《連鎖除外/Chain Disappearance》は、「六武衆」のチューナーを駆るのにも効果的である事から一気に使用率が向上。中にはメイン投入するデッキも多くありました。それに対して、《光の援軍/Charge of the Light Brigade》のサーチ対象として選べる《ライトロード・マジシャン ライラ/Lyla, Lightsworn Sorceress》がシークレットテクとしての地位を確立します。
《連鎖除外/Chain Disappearance》を確実に消しながら、墓地を肥やす事も出来、「デブリダンディ」にとっては一石二鳥のカード。
トラップ・スタン
そして《トラップ・スタン/Trap Stun》はノーコストで《魔のデッキ破壊ウイルス/Deck Devastation Virus》《ゴッドバードアタック/Icarus Attack》に対抗しながら、《六尺瓊勾玉》を踏まずに済む点が評価され、サイドボードとして優秀に機能していました。

◆《ブラック・ローズ・ドラゴン/Black Rose Dragon》
ブラック・ローズ・ドラゴン
対「六武衆」へのプレイングとしては、門・結束に《サイクロン/Mystical Space Typhoon》をあてるのではなく、相手のぶん回りを全て通した上で《ブラック・ローズ・ドラゴン/Black Rose Dragon》を通す事が効果的とされ、エクストラデッキに二枚目が採用される傾向にありました。

《神の警告/Solemn Warning》が天敵ではありますが、月書・警告環境において特に《大寒波/Cold Wave》が優秀で、《ブラック・ローズ・ドラゴン/Black Rose Dragon》の相棒として十分な働きを見せてきたようで、ガバ伏せ環境と揶揄された今期は「寒波ローズ」コンボは終始強力だったようです。

主な順位:4位、本選1名進出
サンプル:スナイプハンターさん(神奈川、BEST32)
モンスター(22枚)
魂を削る死霊
ローンファイア・ブロッサム×2枚
ライトロード・ハンター ライコウ×3枚
トラゴエディア
デブリ・ドラゴン×3枚
ダンディライオン×2枚
ダーク・アームド・ドラゴン
ゾンビキャリア
スポーア
グローアップ・バルブ
クリッター
キラー・トマト
カオス・ソーサラー×2枚
カードガンナー
エフェクト・ヴェーラー

魔法(10枚)
貪欲な壺×3枚
大寒波
死者蘇生
光の援軍
ワン・フォー・ワン
ブラック・ホール
スケープ・ゴート
おろかな埋葬

罠(8枚)
鳳翼の爆風×2枚
激流葬
リミット・リバース×3枚
リビングデッドの呼び声
トラップ・スタン

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
C(チェーン)・ドラゴン
TG ハイパー・ライブラリアン
アーカナイト・マジシャン
アームズ・エイド
エンシェント・フェアリー・ドラゴン
ゴヨウ・ガーディアン
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
スプレンディッド・ローズ
フォーミュラ・シンクロン×2枚
ブラック・ローズ・ドラゴン
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
D.D.クロウ×2枚
サイクロン×2枚
トラップ・スタン
パペット・プラント×3枚
ライトロード・マジシャン ライラ
異次元からの帰還
次元幽閉×2枚
冥府の使者ゴーズ
連鎖除外(チェーン・ロスト)×2枚

◎天使 27名
マスター・ヒュペリオン
他の非公認大会と比較し、ここ最近ではストラクチャーデッキが特に台頭してくるのがTCSですが、今年は「天使」がその立ち位置にありました。TCS本番二週間前に発売されたストラクチャーデッキのカードのみでその大半が構築可能なこのデッキは、関東で先に行われた非公認大会で突如として優勝。その型がアーキタイプとして全国で一気に広まり、TCS参加者でもそれを持ち込む人が多く現れました。
神秘の代行者 アース
環境への対抗馬として開発された「儀式天使(パーデク)」とはコンセプトが異なるのが、今回の「天使」です。《創造の代行者 ヴィーナス/The Agent of Creation – Venus》で《神聖なる球体/Mystical Shine Ball》を展開。その《創造の代行者 ヴィーナス/The Agent of Creation – Venus》は《神秘の代行者 アース》でサーチが可能で、おまけにアースはチューナーである事から《氷結界の龍 トリシューラ》へ繋げる事が可能です。
トリシューラを呼ぶ際、墓地に天使が4体送られる事から《大天使クリスティア/Archlord Kristya》を即座に出す事が可能。さらに《マスター・ヒュペリオン》は、「白いダムド」とも呼ばれ、他の天使を出すよりも先に流してしまったカードを叩き割る事ができます。
このデッキにも潤沢なドロー・サポートがある事から、その安定感は「六武衆」に匹敵し、どのデッキ相手にも強力である事から、今後無視できない存在として環境に居続ける事になるでしょう。

主な順位:ガンスリンガー優勝、本選3名進出
サンプル:スタースクリームさん(福岡、ガンスリンガー優勝、BEST16)
モンスター(18枚)
大天使クリスティア×2枚
創造の代行者 ヴィーナス×3枚
神秘の代行者 アース×3枚
神聖なる球体(ホーリーシャイン・ボール)×3枚
朱光の宣告者(バーミリオン・デクレアラー)×2枚
マスター・ヒュペリオン×3枚
オネスト×2枚

魔法(15枚)
馬の骨の対価×2枚
天空の宝札×2枚
大寒波
死者蘇生
月の書×2枚
強欲で謙虚な壺×3枚
ブラック・ホール
ハリケーン
サイクロン×2枚

罠(8枚)
神の宣告
神の警告×2枚
次元幽閉×2枚
激流葬
奇跡の光臨
ダスト・シュート

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
A・O・J ディサイシブ・アームズ
TG ハイパー・ライブラリアン
アームズ・エイド
エンシェント・ホーリー・ワイバーン
ギガンテック・ファイター
ゴヨウ・ガーディアン
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ブラック・ローズ・ドラゴン
マジカル・アンドロイド
ミスト・ウォーム
神聖騎士(ホーリーナイト)パーシアス
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
D.D.クロウ×2枚
スターライト・ロード
パペット・プラント×2枚
御前試合×2枚
砂塵の大竜巻
邪神の大災害
聖なるあかり×2枚
奈落の落とし穴×2枚
連鎖除外(チェーン・ロスト)×2枚

◎光デュアル 12名
E・HERO アナザー・ネオス
《真六武衆-シエン》の登場により相対的に評価が向上したのが効果モンスターで、《オネスト/Honest》を使うデッキにはそれぞれ生存の余地がありました。

全デッキ中、最も高いパワーを誇るアタッカーを有する「光デュアル」ですが、《神の警告/Solemn Warning》《月の書/Book of Moon》と環境で流行している除去の影響をもろに受け、以前ほど結果を出せなかった模様です。

主な順位:ベスト16
サンプル:Requiem(福岡、BEST16)
モンスター(17枚)
死霊騎士デスカリバー・ナイト×3枚
ライオウ×3枚
フォッシル・ダイナ パキケファロ×3枚
ダーク・ヴァルキリア×2枚
カオス・ソーサラー
オネスト
E・HERO エアーマン
E・HERO アナザー・ネオス×3枚

魔法(13枚)
増援
収縮×3枚
死者蘇生
月の書×3枚
デュアルスパーク×3枚
エネミーコントローラー×2枚

罠(10枚)
和睦の使者×2枚
万能地雷グレイモヤ×2枚
奈落の落とし穴×2枚
リビングデッドの呼び声
スターライト・ロード
くず鉄のかかし×2枚

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
BF-アーマード・ウィング
アーカナイト・マジシャン
キメラテック・フォートレス・ドラゴン
ゴヨウ・ガーディアン
サイコ・ヘルストランサー
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン×3枚
ブラック・ローズ・ドラゴン
マジカル・アンドロイド
メンタルスフィア・デーモン
レッド・デーモンズ・ドラゴン
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
スキルドレイン×2枚
スターライト・ロード
トラップ・スタン×2枚
禁じられた聖杯×2枚
神獣王バルバロス×3枚
聖なるあかり×3枚
閃光の追放者×2枚

◎剣闘獣 9名
剣闘獣ガイザレス
プレイングの鬼とも呼べる「剣闘獣」は、「デブリダンディ」の対抗馬として研究が進んでいました。トークンや《魂を削る死霊/Spirit Reaper》など主流カードに対して抜群な強さを誇りながら、モンスターのテキストで戦うデッキが増えた昨今では《剣闘獣の戦車/Gladiator Beast War Chariot》が優秀に機能します。

しかし、《神の警告/Solemn Warning》によってそもそもモンスターのプレイさえ許されず
《月の書/Book of Moon》は戦闘だけでなく、《剣闘獣の戦車/Gladiator Beast War Chariot》まで腐らせる事、そして「BF」に対してはカードパワーやシンクロへのアクセス、潤沢なアドバンテージの面でやはり劣っている部分があり、環境的な敗因が多くあった事が理解できます。

しかし《禁じられた聖槍》を搭載するなどして「剣闘獣」も構築を変化させて柔軟に厳しい環境を生きています。今後に期待したいアーキタイプと言えるでしょう。

禁じられた聖槍
主な順位:本選1名進出
サンプル:はると(神奈川、BEST32)
モンスター(14枚)
冥府の使者ゴーズ
剣闘獣レティアリィ
剣闘獣ラクエル×2枚
剣闘獣ムルミロ
剣闘獣ベストロウリィ
剣闘獣ダリウス
剣闘獣エクイテ×2枚
機皇帝ワイゼル∞
E・HERO プリズマー×2枚
D.D.クロウ×2枚

魔法(14枚)
地砕き
増援
死者蘇生
剣闘訓練所(グラディアルトレーナー)×2枚
月の書×3枚
禁じられた聖槍×3枚
ブラック・ホール
サイクロン×2枚

罠(12枚)
魔宮の賄賂
奈落の落とし穴×2枚
盗賊の七つ道具
神の警告×2枚
次元幽閉×2枚
荒野の大竜巻
剣闘獣の戦車(グラディアルビースト・チャリオット)×2枚
激流葬

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
A・ジェネクス・トライフォース
BF-アームズ・ウィング
キメラテック・フォートレス・ドラゴン×2枚
ゴヨウ・ガーディアン
スターダスト・ドラゴン
ブラック・ローズ・ドラゴン
ミスト・ウォーム
剣闘獣ガイザレス×3枚
剣闘獣ヘラクレイノス×2枚
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
サイバー・ドラゴン×3枚
サイファー・スカウター×3枚
スターライト・ロード
砂塵の大竜巻
次元の裂け目×2枚
聖なるあかり×3枚
盗賊の七つ道具
魔宮の賄賂

◎墓地BF 3名
BF-大旆のヴァーユ
「BF」の名を冠しながら、「旋風BF」とは動きが異なる「墓地BF」は《ゴッドバードアタック/Icarus Attack》によるボードコントロールを武器としながら、粘り強いビートダウンと大量に積んだ一枚制限の必殺技(明確な勝ち筋)を所有したコントロールデッキです。

「デブリダンディ」にとっては致命的とも言える《魔のデッキ破壊ウイルス/Deck Devastation Virus》を腐らせる事なく使える構築である事から使用率は増加傾向にありましたが、「六武衆」の登場によってメタゲームが一気に変化し、「《ゴッドバードアタック/Icarus Attack》が撃てるジャンクデッキ」といった立ち位置に落ち込んでしまいました。
ただし、明確な勝ち筋を持つ基本ポテンシャルの高いデッキであるため、使い込めば上位に食い込む可能性は十二分に存在します。

主な順位:6位
サンプル:元春
モンスター(18枚)
終末の騎士×3枚
魂を削る死霊
メタモルポット
ネクロ・ガードナー
ダーク・グレファー×3枚
ダーク・アームド・ドラゴン
ゾンビキャリア
BF-大旆のヴァーユ×3枚
BF-疾風のゲイル
BF-暁のシロッコ×3枚

魔法(8枚)
増援
死者蘇生
月の書
異次元からの埋葬
闇の誘惑
ブラック・ホール
サイクロン×2枚

罠(14枚)
魔のデッキ破壊ウイルス
聖なるバリア-ミラーフォース-
神の宣告
神の警告×3枚
激流葬
王宮の弾圧
異次元からの帰還
マインドクラッシュ
ダスト・シュート
ゴッドバードアタック×3枚

エクストラデッキ
BF-アーマード・ウィング×2枚
BF-アームズ・ウィング×3枚
BF-孤高のシルバー・ウィンド
インフェルニティ・デス・ドラゴン
ゴヨウ・ガーディアン
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ブラック・ローズ・ドラゴン
マジカル・アンドロイド
メンタルスフィア・デーモン
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
A・ジェネクス・クラッシャー
サイファー・スカウター×2枚
スターライト・ロード
ドッペルゲンガー
月の書
御前試合×2枚
次元幽閉
盗賊の七つ道具
魔のデッキ破壊ウイルス
冥府の使者ゴーズ
霊滅術師 カイクウ
連鎖除外(チェーン・ロスト)×2枚

■30枚のカードから見る環境への「回答」~サイド・エクストラデッキを参考に~
◎使用統計
まずはサイドカードの分布を、採用率の高いものから見てみます。

61:パペット・プラント
44:連鎖除外
42:D.D.クロウ
30:次元幽閉
16:盗賊の七つ道具
16:奈落の落とし穴
14:王宮の弾圧
13:砂塵の大竜巻
13:スノーマンイーター
12:レインボー・ライフ
11:サイファー・スカウター
11:ドッペルゲンガー
9:群雄割拠
8:スターライト・ロード
8:サイバー・ドラゴン
7:冥府の使者 ゴーズ
7:ご隠居の猛毒薬
7:非常食
6:邪神の大災害
6:魔のデッキ破壊ウイルス
5:王宮の弾圧
4:A・ボム
4:サイクロン
4:エフェクト・ヴェーラー
4:伝説の柔術家
4:王宮の鉄壁
4:抹殺の使徒
4:禁じられた聖杯
3:バトルフェーダー
3:魔宮の賄賂
3:神の警告
3:王宮の弾圧
3:神獣王バルバロス
3:スキルドレイン
3:トラップ・スタン
3:霊滅術師 カイクウ
3:六尺瓊勾玉
2:天罰
2:強制脱出装置
2:ライトニング・ボルテックス
2:閃光の追放者
2:王宮のお触れ
2:異次元からの帰還
2:ブラック・ホール
2:精神操作
2:転生の予言
2:BF-暁のシロッコ
2:フォッシル・ダイナ パキケファロ
2:虚無魔人
2:大寒波
2:超古代生物の墓場
2:次元の裂け目
2:コアキメイル・ドラゴ
2:心鎮壷
2:強者の苦痛
2:地砕き
2:ライオウ
1:閃光を吸い込むマジックミラー
1:強制転移
1:ハリケーン
1:ライトロード・マジシャン ライラ
1:Sin スターダスト・ドラゴン
1:異次元からの埋葬
1:BF-疾風のゲイル
1:聖なるバリア -ミラーフォース-
1:ペンギン・ソルジャー
1:停戦協定
1:ドリアード
1:マインドクラッシュ
1:ダスト・シュート
1:激流葬
1:BF-極北のブリザード
1:伝説の剣豪 MASAKI

◎《パペット・プラント/Puppet Plant》?or《サイファー・スカウター/Kinetic Soldier》?
「六武衆」の流行によりサイドボードは大きな変貌を遂げました。
中でも特筆すべきは、やはり六武衆対策とされる《パペット・プラント/Puppet Plant》
そして《サイファー・スカウター/Kinetic Soldier》でしょう。
パペット・プラント
今回は《パペット・プラント/Puppet Plant》に軍配が上がりました。
その理由としてはやはり、「対策カードの多くを無視できる」点にあります。
現状《パペット・プラント/Puppet Plant》の対策でメインボードに入り得るものは《月の書/Book of Moon》くらいですが、《真六武衆-シエン》が裏向きになれば他のカードが使用できるので特に問題はありません。
「帝コントロール」のように、比較的速度の遅いデッキには上級モンスターが採用されているため《パペット・プラント/Puppet Plant》は「六武衆」に対しては「とても強い《洗脳-ブレインコントロール/Brain Control》」として機能するためメインボードへの溶け込み具合は一線を画しており、一方で、速いデッキや最新のデッキには必ずといっていいほどチューナー・モンスターが採用されているため「帝」などの上級を採用していなくともシンクロによって相手の「六武衆」を処理する事が可能となります。

このように、一度握られると対処の難しい《パペット・プラント/Puppet Plant》を「六武衆」はいかに攻略してきたか。
一つは、《真六武衆-シエン》を出さない事。
《真六武衆-シエン》を失ってしまう事は制圧力にも事欠き、最悪の事態に陥ります。それを回避するために、《真六武衆-シエン》を出す事なく他のカードや稼いだアドバンテージによる物量で以て戦う事は、相手がサイドインしてきた《パペット・プラント/Puppet Plant》の効力を薄めるだけでなく、《連鎖除外/Chain Disappearance》を腐らせる事も可能となります。
「ここでシエンを出せば勝てる」と確信を持てるゲームメイクが出来た場合のみ《真六武衆-シエン》を呼び出し、それ以外では《六武衆の師範/Grandmaster of the Six Samurai》《真六武衆-キザン》によるビートダウンで勝ちを狙いに行きます。
二つ目は、必ずしも《パペット・プラント/Puppet Plant》が握られてるとは限らない、という事。これだけ書くと運要素の話になってしまいそうですがそうではなくて、《パペット・プラント/Puppet Plant》を使って相手に六武衆を返さないようにするにはもう一枚のカードが必要である事から、最低2枚のカードを集めなければ六武衆を攻略する事はできず、大量のコンボパーツをしっかり集められる非・六武衆デッキに該当するものがそこまで多く無い、という風に要求される御膳立てが整えられずに負けてしまう状況に陥る場面は多くありました。

サイファー・スカウター
今回は比較的採用率が低かった《サイファー・スカウター/Kinetic Soldier》。
このカードは対策としては駄目だったのか?必ずしもそうとは言えません。
六武衆対策の中で、カードを消費する事なく(アドバンテージを失う事なく)使える対策という点では、《パペット・プラント/Puppet Plant》に勝るものがあります。
六武衆は、《真六武衆-シエン》のステータスが最高数値で、2500を越える打点を超過する事はできません。《サイファー・スカウター/Kinetic Soldier》は単機で3000を越える打点を叩き出すため、「六武衆」の攻撃を絶対に阻止する事ができます。
《神の警告/Solemn Warning》は怖いですが、《神の警告/Solemn Warning》を使わせる事はメインボードでプレイできる他のシンクロモンスターが阻止できなくなってしまうようになるため、終盤のトップデッキが相対的に強化されます。
また、性質上、《月の書/Book of Moon》が怖くないのも優秀です。

「”相手”のゲームメイクを破綻させる」事が目的である《パペット・プラント/Puppet Plant》に対して、《サイファー・スカウター/Kinetic Soldier》は「”自分”のゲームメイクを完成させる」一枚であると言えます。

◎今が旬!《A・ボム/Ally Salvo》!
新規参入の「天使」は、決まれば完封と言う、「六武衆」以上の制圧力を備えた凶悪デッキです。そのサイドボードとして《A・ボム/Ally Salvo》が注目を浴びています。

A・ボム
元々、「光デュアル」に対して特に強力なサイドボードとして知られていましたが、同じ光属性であれば何でもよく、完全に成立してしまった「天使」デッキの場を壊滅させる事も可能です。イラスト通り、まさにびっくりどっきりメカと言えるでしょう。

◎《禁じられた聖杯/Forbidden Chalice》
《トラップ・スタン/Trap Stun》や《盗賊の七つ道具/Seven Tools of the Bandit》といった罠対策が流行する中、それらを回避しつつシステムモンスターを潰せるとして《禁じられた聖杯/Forbidden Chalice》が脚光を浴びていました。
禁じられた聖杯
《BF-極北のブリザード/Blackwing – Blizzard the Far North》や《デブリ・ドラゴン/Debris Dragon》の動きを止めればそのまま反撃していく事が可能で、奇襲性が非常に高い一枚と言えます。

◎《トラップ・スタン/Trap Stun》から《盗賊の七つ道具/Seven Tools of the Bandit》への移行
罠対策、というキーワードが挙がり続けてきました。
《ゴッドバードアタック/Icarus Attack》や《連鎖除外/Chain Disappearance》を見るならどれでも良かったのですが、《神の警告/Solemn Warning》が無視できないレベルでの流行を見せ始めた事で、対策としてはやはり《盗賊の七つ道具/Seven Tools of the Bandit》に人気が戻り始めます。
盗賊の七つ道具
さらに、カウンター罠である必要がありました。それはスペルスピード。
《真六武衆-シエン》を通してしまった上でもなお戦おうとする場合にはどうしてもテキストモンスターを使わなければならず、そうなると《神の警告/Solemn Warning》に妨害されると一気に投了にまで追い込まれてしまいます。
限定されようとも、構築したプランの最大限の実現を目指すサイドボード、それが《盗賊の七つ道具/Seven Tools of the Bandit》です。

◎注目の一枚 《メンタルスフィア・デーモン/Thought Ruler Archfiend》
《神の警告/Solemn Warning》は、全てのシンクロモンスターが頭を悩ませる罠ではありますが、環境全体を見る限り《メンタルスフィア・デーモン/Thought Ruler Archfiend》は特筆したい強さを持っていると言えます。

メンタルスフィア・デーモン
《スターダスト・ドラゴン/Stardust Dragon》では突破できない《次元幽閉/Dimensional Prison》、《月の書/Book of Moon》によって攻撃を妨害される事はなく、また全シンクロモンスターが苦手としている《強制脱出装置/Compulsory Evacuation Device》を回避するのもまた《メンタルスフィア・デーモン/Thought Ruler Archfiend》にしかできない仕事です。

また、戦闘破壊をトリガーとするライフゲイン・テキストは《神の警告/Solemn Warning》を連打する現環境において、自身をケアする役割を果たしており、非常に重宝されています。

◎《フレムベル・ウルキサス/Flamvell Uruquizas》という選択肢
「六武衆」が苦手なアクションとして、壁による延命、というものがありました。
それを見越して《魂を削る死霊/Spirit Reaper》がミラーマッチでも採用される程です。
フレムベル・ウルキサス
それを突破するのが《フレムベル・ウルキサス/Flamvell Uruquizas》。
当初より非常に地味なカードとみなされていますが、《氷結界の龍 ブリューナク/Brionac, Dragon of the Ice Barrier》を突破された後でも、壁モンスター相手に驚異的な活躍を見せます。また、現在は《月の書/Book of Moon》がメインボードで多く見受けられる為、相手の縦向きモンスターも強制的に横にする事で突破可能です。

今一度、カードの選定を見直してみてはいかがでしょうか。

◆結び
単にそこにあるカードを使うだけでは勝利には結びつきません。
用意したカードを使う事で勝負に勝てる盤面作りを目指した試合運びが出来るかどうか。
カードに使われるのではなく、カードを使っていく。
それが実現できてはじめてプレイヤーは成長していきます。

何かに偏重する事なく、様々なサイドボードを試す事で自分なりの環境の回答を見つけていきましょう。

■遊戯王2010年環境、閉幕。激動の今期を振り返る。
「旋風BF」と「デブリダンディ」の二強から、新カードのパワーを遺憾なく発揮してメタゲームの中心として出現した「六武衆」。これらのデッキによる三つ巴なくして今期を語る事はできません。

今回、前評判通り「六武衆」が勝利する結果となった『Tetsu Champion Ship』でしたが、果たして今期は優勝した「六武衆」一強なのでしょうか?
そんな事は”絶対に”ありません。
全体的なデッキ分布から、本選に進出した参加者のデッキ傾向を見れば分かりますが、今期は実に多くのデッキが生まれ、それらが切磋琢磨して環境を生き抜いていこうとしており、遊戯王史上稀に見る良環境であると言えます。
全てのデッキがとんとんに強いのは間違いありません。
では、全てのデッキがとんとんに強い中で、他と一線を画したいと考えた時、そうなり得る要素とは何かと考えた時、筆者は「構築全体の安定感に貢献する要素」を重要視します。
言ってしまえばドローソースがそれに相当しますが、山札に触りデッキを回転させる要素があるデッキは、どのような状況でも柔軟に機能する事ができ、相手と互角の対戦を目指す事が可能となるわけです。中でも潤沢なドローサポートによって安定している「六武衆」が頭一つ抜けているだけで、他のデッキにも当然可能性があります。
カードパワーという点ではデザイン上仕方ない部分があるため割り切る必要がありますが、デザイナーの意図を越えて戦える要素は現環境に十二分に存在する事を御理解頂けたなら、と思います。

そして、いよいよメタゲームが固定されてきました。
完全に煮詰まっているからこそ、お互いがお互いの情報を把握する事が出来るようになります。
そうなれば、自分も勝てるようになるかもしれませんが、相手にも勝利する機会を与えてしまう事となります。
自分が勝てるという事は相手も勝てるという事。イーブンの状況では自分が優位に立つ事は出来ません。
思考の渦から抜け出し、意表をつく工夫を凝らす事ではじめて人は「勝利」に近づく事が出来ます。
実際、今回の『第四回Tetsu Champion Ship ~テンノフダガミ~』では、煮詰まったメタゲームに対して独自の回答を持ち込んだプレイヤーたちが結果を残しています。

「強さ」というの抽象的な概念を、定義付けする事は難しいです。
しかし、それでも敢えて言えるのは、
強いデッキ・強い運・強いプレイングの三本柱を兼ね備えたプレイヤーこそが、本当に「強い」人間であると、少なくとも筆者は考えます。

片手の指では数えきれないほどのラウンドを突破するためには、環境を把握する必要があります。環境を把握して、そして自らの経験と照らし合わせて強いデッキの構築を目指していくのです。

ゲームには、相性というものが存在します。戦いやすいデッキタイプもいれば、苦戦を強いられるデッキタイプも当然存在する。どれだけ考えても、決して相性差を覆す事ができない場面は多々存在します。その時、いかに自分の中で割り切る事が出来るか。
当日の当たり運、引きの運というのも勿論あるかもしれませんが、寧ろだからこそ、そうして現れる「不確定な要素を、いかに確定事項に昇華させていけるか・煮詰めていけるか」がプレイヤーの課題と言えます。運だから諦める、と思考停止するのではなく、
不確定だからこそ可能性を追究していく積極的な姿勢が、プレイヤーには必要なのです。
強い運、とはそれを指します。

強いデッキと強い運を兼ね備える事が出来た。
情報を把握し、自らの経験と照合し、不確定要素を確定させていく事ができたなら、今度は「自分自身」をそれに適合させていく必要があります。
脳内での想定と、実際の行動との差異を見つける。例えばカードを引いて手元に持ってくるのにも数秒の時間がかかるし、予期せぬ状況が目の前で展開されたら人間は必ず焦りますが、その時、いかに時間をかける事なく対処できるか、それは想定の域を越えて実際に動いてみないと分かりません。

総じて言えるのは、デッキが数多く存在し、メタゲームも定まっているからこそ、次に要求される課題は「プレイヤー」にある事です。
意識や視野が固定化されている時こそ、柔軟な発想が要求されます。
全ての状況がイーブンであるからこそ、綿密な分析に加え意表をつくような工夫を凝らす事で、人よりも一歩先に勝利を掴み取る事が出来るに違いありません。月並みかもしれませんが、それもまた勝ち抜く上で絶対に大切な要素であると言えます。
そしてそれは今回のTCS4の上位入賞者によって証明されました。

環境は、変えられる。自分たちの手で。
プレイヤーの皆さん、今後も頑張っていきましょう。


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Tags Categories: テンノフダガミ Posted By: Tetsu
Last Edit: 27 3月 2011 @ 02 08 PM

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