27 12月 2011 @ 12:00 AM 
 

■04 BEST16 アルト(福岡)vsFord(神奈川)

 

二年という時間は人間を成長させるのに充分な年月であっただろう。

次にお送りする対戦は、読者にとって見応えある激戦であることを筆者から約束したい。
まず一人目は、チーム「Avalon」においてセイバーの称号を持つ古豪・アルト(福岡)。
この『Tetsu Champion Ship』本選においてはもはや常連である彼だが、昨年はベスト16止まり。筆者が最後に彼の試合を記録したのは二年前、『第三回Tetsu Champion Ship~Nine Wish Revolver~』BEST32のマッチアップである。フィーチャーマッチからは長く離れた月日であったが、ここまで再び勝ち上がってきた彼に対して、TCS3の私録から次の言葉を引用したい。
「今日の自分は昨日よりも強い。」
更なる高みを目指し、少年はその宝剣「TG代行天使」を次なる舞台へと翳す。
”二年”
対峙する相手に、説明は不要かもしれない。
しかし、こうして『戦場のヒエログリフ』に彼の戦いが刻まれることは意外にも初なのだ。
彼の名は、Ford(神奈川)。遊戯王大会情報総合ブログ『Duel Entrance』管理人である。日本代表選考会結果等の速報を配信したり、各地の大会を結果以外の部分からクローズアップした記事の作成等によって培われた確かな信頼を武器に、今もなおブログを成長させ続けている遊戯界の導き手である。
筆者とは五年来の付き合いとなり、常にその成長を見守ってきた。
『第五回神奈川CS』準優勝、『第二回八汰烏CS』チーム戦優勝と、TCS5に至るまで今年はタイトルをコンスタントに獲得してきたFord。
長くチューンしてきた「ラヴァル」を手に、次のタイトル獲得へ向けて福岡の英霊に立ち向かう。

Game:1

先攻はアルト。
《ライオウ/Thunder King Rai-Oh》を最前線に立たせて伏せカードを一枚配備して1ターン目を終える。
Fordの初手は以下の通りである。
・《強欲で謙虚な壺/Pot of Duality》
・《バトルフェーダー/Battle Fader》
・《真炎の爆発/Rekindling》
・《ラヴァル炎湖畔の淑女》
・《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》
ドローは《炎熱伝導場》、「ラヴァル」デッキにとってキー・カードとなる《炎熱伝導場》を引けているだけでも寧ろ優位に立てる。静かに《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》をセットしてターンを終了。

2ターン目に攻撃してきた《ライオウ/Thunder King Rai-Oh》に《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》を放ち、Fordは墓地へ《ラヴァル炎湖畔の淑女》を配備。1体の壁と1枚の伏せカードを追加し、アルトはFordにターンを渡す。
ノータイムでFordは《炎熱伝導場》を発動、《ラヴァル炎火山の侍女》三枚と《ラヴァルのマグマ砲兵/Laval Magma Cannoneer》、更に二枚目の《ラヴァル炎湖畔の淑女》を墓地へ投下していく。
相手が仕掛けている多量の罠に苦悩するFord、《ライオウ/Thunder King Rai-Oh》を撤去した事で《強欲で謙虚な壺/Pot of Duality》を使って山札に回答を求める。
・《死者蘇生/Monster Reborn》
・《真炎の爆発/Rekindling》
・《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》
捲れた三枚の魔法カード。《真炎の爆発/Rekindling》に手をかけようとするが、《死者蘇生/Monster Reborn》を回収してFordはターンを終えた。

少しずつパーツを集め始めたFordを前に、アルトは完全に出遅れてしまっている。
このターンのアクションも、壁そして伏せカードを追加するのみだった。
Fordは引いた《フレムベル・ヘルドッグ/Flamvell Firedog》を秒でテーブルへ投下し、アルトに《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》を使わせた後、《激流葬/Torrential Tribute》をセットする。
”仕掛ける”
4ターン目、仕掛けたのはアルトのほうだった。
”展開”
《神聖なる球体/Mystical Shine Ball》をコストに《鳳翼の爆風/Phoenix Wing Wind Blast》、Fordの罠がはがれたのを見て《創造の代行者 ヴィーナス/The Agent of Creation-Venus》を呼び出し《神聖なる球体/Mystical Shine Ball》を二体展開。さらに《TG ストライカー/T.G. Striker》を反転。《ダイガスタ・フェニクス》と《TG ハイパー・ライブラリアン/T.G.Hyper Librarian》を作った後、手札から《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》を特殊召喚する超展開を披露する。
場の総打点は8000を超過、これがすべて通ることがアルトの勝利条件。
全軍進撃を決めるも、《バトルフェーダー/Battle Fader》がそれを許さなかった。
”遮断”
圧倒的防御力を見せ付けられてしまったアルト、その手にカードは1枚もない。

返すFordの4ターン目。まずは《ラヴァル炎湖畔の淑女》で相手の罠を排除する。
《TG ハイパー・ライブラリアン/T.G.Hyper Librarian》によって《真炎の爆発/Rekindling》での超展開は困難である。そこでプランを変更し、《真炎の爆発/Rekindling》で《ブラック・ローズ・ドラゴン/Black Rose Dragon》を生成し、場をリセットすることに成功。その後、《死者蘇生/Monster Reborn》によってアルトの《ライオウ/Thunder King Rai-Oh》を奪い、これにより打点を確保すると共に相手のトップデッキを封じることに成功する。残る時間の間も、アルトは力無くターンを返すのみであった。

  アルト 0-1 Ford

アルト 先攻サイドチェンジ
In
《朱光の宣告者/Herald of Orange Light》
《デモンズ・チェーン/Fiendish Chain》
《マクロコスモス/Macro Cosmos》×2枚
Out
《大嵐/Heavy Storm》
《サイクロン/Mystical Space Typhoon》
《盗賊の七つ道具/Seven Tools of the Bandit》×2枚

アルトを含む本選に進出した「TG代行天使」の特徴として、《マクロコスモス/Macro Cosmos》の採用がある。《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》のコスト損失を引き換えに、苦手とするデッキタイプへの相性を覆す事が目的である。

Ford サイドチェンジ
In
なし

Out
なし

Fordのサイドチェンジは、見事に交換が無い。
メインデッキから《バトルフェーダー/Battle Fader》《増殖するG/Maxx “C”》を採用し「TG代行天使」を仮想敵に見据えている「ラヴァル」にとっては、メインデッキこそが至高の構築。《エフェクト・ヴェーラー/Effect Veiler》さえも、「ラヴァル」にとっては大切に手に入れた潤沢なアドバンテージを無碍に失う一枚に過ぎない。

Game:2

再びアルトの先攻でゲームが始まる。
《神秘の代行者 アース/The Agent of Mystery-Earth》から《創造の代行者 ヴィーナス/The Agent of Creation-Venus》を手に入れ、三枚の伏せカードを設置するという好調な滑り出しで1ターン目を終えた。

・《真炎の爆発/Rekindling》
・《死者蘇生/Monster Reborn》
・《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》
・《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》
・《増殖するG/Maxx “C”》
この初手に《ラヴァル・キャノン》が加わり、Fordの二戦目がスタートする。
《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》に《炎熱伝導場》を封印の黄金櫃し、《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》をセットするがそこには被った《神秘の代行者 アース/The Agent of Mystery-Earth》を切っての《鳳翼の爆風/Phoenix Wing Wind Blast》が放たれる。
2ターン目、《創造の代行者 ヴィーナス/The Agent of Creation-Venus》へと繋いだアルトだったが、そこには一戦目に見なかった《増殖するG/Maxx “C”》が投げつけられる。
これには面食らった様子のアルト、プランを変えて代行者たちでビートダウンするに留めた。
”プラン”
Fordのドローは《フレムベル・ヘルドッグ/Flamvell Firedog》、しかしまたしても《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》に消える。手札二枚のアルトに対してFordは《死者蘇生/Monster Reborn》によって相手の《神秘の代行者 アース/The Agent of Mystery-Earth》を奪い、《神聖なる球体/Mystical Shine Ball》を撤去する。
伏せカードを設置し、ターンを終える。
”動き”
返すアルトは強力な動きを見せる。《TG ワーウルフ/T.G. Warwolf》を呼び出し、アースと共に《TG ワンダー・マジシャン/T.G. Wonder Magician》へシンクロ召喚。
強引に使わせた《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》を《創造の代行者 ヴィーナス/The Agent of Creation-Venus》に仕向けると、アースを戦闘破壊する。

返し札を引きたいFordだったが《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》を引いてしまう。
場が出来上がってしまい流石に遅いが、先に使っておいた《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》に封印していた《炎熱伝導場》を使って《ラヴァル炎火山の侍女》たちを墓地へ送り込む。アルトの伏せカードは《マクロコスモス/Macro Cosmos》ではなかった。
《真炎の爆発/Rekindling》を見せて巻き返しを図りたいFordだったが、アルトが用意していた伏せカードは本命の《神の警告/Solemn Warning》。続いて《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》が見せられたところで、Fordは静かにテーブルを片付けた。

 アルト 1-1 Ford

大会前日までにデッキの調整について筆者に相談をしていたFord。
自分自身もレポーターを行う上で「ラヴァル」というデッキタイプや各デッキが現環境においてどういったソリューションを搭載するようになったかについて理解を深めるために彼にデッキの特徴を尋ねたところ、《バトルフェーダー/Battle Fader》そして《増殖するG/Maxx “C”》の「枚数」そして「採用可能の是非」が命運を分けると話してくれた。
”再評価”
バトルフェーダー。
常に《トラゴエディア/Tragoedia》と比較されてきたこのカードだが、後続の攻撃を阻止できる状況が限定されている《トラゴエディア/Tragoedia》と異なり一枚で守れるライフの総量はこちらのほうが多く、より強固な防御札として見直され、TCS5が近づくにつれて選定がこちらへと推移していった。
また、「ラヴァル」について言えば、《ラヴァル炎火山の侍女》と共に《フォーミュラ・シンクロン/Formula Synchron》へ繋ぐ事も可能な一枚である。
”増殖するG”
《増殖するG/Maxx “C”》は超展開を繰り広げる相手が増えたことで、活躍する機会が増えた1枚として注目を浴びている。総じて、シンクロ召喚やエクシーズ召喚によって展開する発端となる発生源はモンスター効果である事が殆どであり、そうしたカードに対しては《エフェクト・ヴェーラー/Effect Veiler》が有効札として活躍していたが、対策される側も《エフェクト・ヴェーラー/Effect Veiler》を越えてなお展開する構築へと変化してきた事で対策が間に合わず、その中で白羽の矢が立ったのがこの《増殖するG/Maxx “C”》である。上述の《バトルフェーダー/Battle Fader》を引き込む事も可能であるため、ある種のシナジーを形成していることも見逃せない。

Ford 先攻サイドチェンジ
In
なし

Out
なし

Fordは最後まで自らのメインデッキを信じ、交換を行うフリをするのみでサイドチェンジを終える。

アルト サイドチェンジ
In
《朱光の宣告者/Herald of Orange Light》
《マクロコスモス/Macro Cosmos》×2枚
Out
《サイクロン/Mystical Space Typhoon》
《盗賊の七つ道具/Seven Tools of the Bandit》×2枚

悩んだ末にアルトは《大嵐/Heavy Storm》を戻すのみのサイドチェンジ。
投入した《マクロコスモス/Macro Cosmos》を引き込みたくて悶えている様子が伺えた。

しかし、引けない事を嘆くよりも続けて勝ち上がる事を目指すことのほうがトーナメントにおいては建設的である。
防ぎ得ぬ槍(デッキ)ならば、防ぐより先に斬るまで。
二戦目に勝利した流れをそのままに、アルトはFordとの最終戦に挑む。

Game:3
”初動”
・《バトルフェーダー/Battle Fader》×2枚
・《大嵐/Heavy Storm》
・《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》
・《炎熱伝導場》
・《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》
漸く先攻を手にしたFordを賞賛するかのような初手であった。
意気揚々と《炎熱伝導場》スタートを切り、《ラヴァル炎火山の侍女》3体と《ラヴァルのマグマ砲兵/Laval Magma Cannoneer》2体を墓地へ配備する。
《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》で《真炎の爆発/Rekindling》を保管し、準備は万端。

対するアルトもFordを追う。
《神秘の代行者 アース/The Agent of Mystery-Earth》によって代行者を二枚手に入れ、《強欲で謙虚な壺/Pot of Duality》によって《神の警告/Solemn Warning》をキャッチ。
さらに伏せカードを三枚置く万全の布陣であった。

対するFordは《マクロコスモス/Macro Cosmos》を打ち抜く《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》を設置するのみでターンを渡す。
続くターン、アルトは戦線に《創造の代行者 ヴィーナス/The Agent of Creation-Venus》を追加。その能力に対して、Fordがまたしても《増殖するG/Maxx “C”》を投下する。
《創造の代行者 ヴィーナス/The Agent of Creation-Venus》の能力発動宣言まで進めた事で、その伏せカードに《マクロコスモス/Macro Cosmos》がない事を把握されてしまう。
しかし、アルトは天使の能力を頼りに展開するしか術がない。
相手が展開せざるを得ない状況を作り、そこに嵌めてしまえば《増殖するG/Maxx “C”》は120%の力を発揮する。これは強力なGである。
《神聖なる球体/Mystical Shine Ball》の数だけ、
《ダイガスタ・フェニクス》《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》を呼んでも、
どんどんFordの手札は増えていく。
《ダイガスタ・フェニクス》の能力を使うために、自らが設置していた《マクロコスモス/Macro Cosmos》を《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》によって破壊し、二回攻撃が可能な状態にする。しかし「ラヴァル」への有効札を失ったのは同時に痛手でもある。

奇妙な音を立てる深い深い闇の中。
虫たちが蠢く蔵へと、騎士王が投げ込まれる。
攻撃は《バトルフェーダー/Battle Fader》によって遮断され、戦場を絶望が支配した。
”手札”
Gによって大量の手札を得た上に、《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》によって封印していた《真炎の爆発/Rekindling》を手札に加えるFordの3ターン目。互いのライフは7000。
《強欲で謙虚な壺/Pot of Duality》によって《ラヴァル炎湖畔の淑女》を手札に加え、《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》《激流葬/Torrential Tribute》をセットする。

アルトは、《ダイガスタ・フェニクス》を二回攻撃できる状態にして《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》の種を増強。《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》が罠を破壊しようとかかるが、そこには《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》。これによってアルトの《神の警告/Solemn Warning》が射抜かれ、益々《バトルフェーダー/Battle Fader》が通りやすい場になってしまい、案の定、総攻撃にはフェーダーが投下される。
壁を1体と伏せカードを追加し、ターンを終える。
”投下”
Fordの最終ターン。
最後に余った《バトルフェーダー/Battle Fader》を通常召喚し、自ら《激流葬/Torrential Tribute》を発動、モンスターを一斉に洗い流す。
そして、ついに詠唱を開始する。
その呪文の名は、《大嵐/Heavy Storm》。
Fordが初手から温存していた魔法を超動し、妨害は何一つなくなる。
《真炎の爆発/Rekindling》が発動された時、アルトは投了する他なかった。

 アルト 1-2 Ford
 Result:Ford Win!










■03 BEST32 Naoki(福岡)vsAQN(福岡)へ戻る

Tags Categories: Broken Activation, Special Posted By: Tetsu
Last Edit: 29 12月 2011 @ 06 50 PM

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