27 12月 2011 @ 12:00 AM 
 

■05 BEST8 むなし(大阪)vsマイクロン(熊本)

 

メタゲームは生き物と断言できる。
常に環境の頂点に君臨するデッキも、形を変えていかなければ対応力は格段に下がってしまうし、頂点を後追いするデッキたちの構築はトップメタを打破するために真剣に構築やプレイングが練られている。
”次戦”
むなし(大阪)の駆る「TG代行天使」は今シーズンの遊戯王を語る上で決して外すことのできないアーキタイプであるが、「甲虫装機」「ゼンマイ」「忍者」といった新勢力の登場により王座を揺るがされ兼ねない事態へと陥った。採用カードの随所に見受けられる独自の調整こそが、むなしをここまで勝ち上がらせたと言える。
対するマイクロン(熊本)が選んだデッキは「ラギア」。「TG代行天使」に加え「甲虫装機」といった、罠に強いデッキが環境に跋扈してきたことでTCS5までのトーナメントシーンにおいては確実に衰退していたデッキタイプであったが、プレイヤーの意識から外れたからこそ対策が甘くなりその隙を突いて勝ち上がってきたデッキでもある。事実、本選進出者が使用するデッキの中でも「ラギア」は最多勢力の一つとなっていた。
消耗戦に持ち込めるならむなし側に分があるものの、攻勢に回るのはマイクロン側である。
両者の白熱したデュエルに期待したい。

Game:1

むなしの初動は《強欲で謙虚な壺/Pot of Duality》。その中から《TG ストライカー/T.G. Striker》を選択し、一体の壁と《神の宣告/Solemn Judgment》《大嵐/Heavy Storm》を伏せてターンを終える。マイクロンは、四枚の伏せカードを設置して迎え撃つ構え。
http://haiironosedai.img.jugem.jp/20111225_831870.jpg
むなしが《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》をドローすると、スタンバイフェイズに放たれたマイクロンの《ダスト・シュート/Trap Dustshoot》によってその手札が晒される。
・《TG ストライカー/T.G. Striker》
・《精神操作/Mind Control》
・《神聖なる球体/Mystical Shine Ball》
・《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》
そのうち《TG ストライカー/T.G. Striker》が山札に戻されたむなしは、能動的に動けるハンドではないためそのままエンド宣言。
”登場”
返すマイクロンのターンで、戦線に《レスキューラビット/Rescue Rabbit》が追加される。
大量の罠に守られながら《大くしゃみのカバザウルス/Kabazauls》が並べられ、そこから呼び出される《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》には互いに《神の宣告/Solemn Judgment》を撃ち合う。《クリッター/Sangan》が戦闘破壊された事で、改めてむなしは《TG ストライカー/T.G. Striker》を握る。場に二枚の伏せカードを堂々と追加し、マイクロンはターンを終える。
”堂々”
3ターン目、むなしのドローは《神秘の代行者 アース/The Agent of Mystery-Earth》。
《精神操作/Mind Control》《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》と、《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》を突破するカードを多く構える中、むなしは《神秘の代行者 アース/The Agent of Mystery-Earth》を通常召喚してマイクロンの出方を伺おうとする。
マイクロンは《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》の能力を使用せず、《禁じられた聖杯/Forbidden Chalice》を発動した。
後続の代行者を手に入れる事に失敗したむなしは、《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》をセットする。
”颯爽”
マイクロンはドローに恵まれていた。アースを見てから《ジュラック・グアイバ/Jurrac Guaiba》を叩きつける。アースへの攻撃に対して妨害はなく、山札から《ジュラック・ヴェロー/Jurrac Velo》を配備、《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》を放つ事もできないままマイクロンの場には《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》が二体並ぶ。
その圧倒的制圧力と打点の高さに、むなしのライフも風前の灯。
流石に動揺を隠せないようだ。

次のドローが《TG ワーウルフ/T.G. Warwolf》であることを確認してから、《神聖なる球体/Mystical Shine Ball》をコストに《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》、ここに《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》の能力を発動させる。《精神操作/Mind Control》で《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》を取り除き《大嵐/Heavy Storm》が通るものの、エクシーズモンスターを消す手段はなく、相手のメインデッキに投入されている伏せカードが《神の警告/Solemn Warning》《デモンズ・チェーン/Fiendish Chain》《収縮/Shrink》であることを確認してから、むなしは投了を宣言した。

 むなし 0-1 マイクロン

むなし 先攻サイドチェンジ
in 
《スノーマンイーター/Snowman Eater》×3枚
《ライトロード・ハンター ライコウ/Ryko,Lightsworn Hunter》×2枚
《サイクロン/Mystical Space Typhoon》×2枚
《聖なるバリア-ミラーフォース-/Mirror Force》
《神の警告/Solemn Warning》

out 
《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》×2枚
《朱光の宣告者/Herald of Orange Light》×2枚
《リビングデッドの呼び声/Call of the Haunted》×2枚
《精神操作/Mind Control》
《大天使クリスティア/Archlord Kristya》
《ダスト・シュート/Trap Dustshoot》

「ラギア」の攻略方法の一つに、テキスト・アクティベイト(効果の発動)がある。
カード自体のプレイは《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》による阻害が可能だが、既に発動を承諾してしまっているオブジェクトによる効果や、モンスターの能力を防ぐ事はできない。その背景に端を発し、現環境では二種類のモンスター・カードに支持が集まっている。
”だるま”
一つは《スノーマンイーター/Snowman Eater》。高い守備力は《ライオウ/Thunder King Rai-Oh》等、メインデッキに優先して採用されるアタッカーを妨害するに足る数値を誇る。さらに、一方的にモンスターを倒す能力を持つ事から、現環境有数の鉄壁として知られている。さらに「代行天使」に類するアーキタイプとの関連で言えば、このカードは一種のサイドカードの枠を超えた働きを見せる。自身が3レベルである事から、効果発動後にアタッカーにさえなれないこのカードは「代行天使」が最も得意とするランク3エクシーズ召喚に貢献する事が出来る。一種のメタカードとしてではなく、デッキが本来的に備え持った機能とも相互作用を形成し、言うなれば、《スノーマンイーター/Snowman Eater》が採用できるデッキは一戦目以上に攻勢に移るパターンが増強されている事が理解できる。
”犬”
二つ目は、《ライトロード・ハンター ライコウ/Ryko,Lightsworn Hunter》。
こちらは高い守備力を持たないため戦闘時においては対交換を行うのみであるが、やはりいかなるカードでも狙い打てる汎用性の高さは見逃せない。使い方は《スノーマンイーター/Snowman Eater》に似ているが、役割はまったくもって異なる。主に《ライトロード・ハンター ライコウ/Ryko,Lightsworn Hunter》が見据えているのは進軍する相手が構える罠にある。《マクロコスモス/Macro Cosmos》が支持されるように、トーナメント遊戯王においてゲーム環境に適合したカードは往々にして罠であることが多い。それらを打破できるという一点について、《ライトロード・ハンター ライコウ/Ryko,Lightsworn Hunter》は《スノーマンイーター/Snowman Eater》に勝る。

そして、特筆すべきはこの二種類がいずれも《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》を攻略できる事。環境的に支持を集めてきた札がいずれも有効に機能してしまうのは頂けない。二戦目以降、さらに相性の悪いカードが増えている。これが、TCS5までのトーナメント遊戯王において「ラギア」というアーキタイプが失速してきた理由である。

マイクロン サイドチェンジ
in 
《マインドクラッシュ/Mind Crush》×2枚
《N・グラン・モール/Neo-Spacian Grand Mole》
《エフェクト・ヴェーラー/Effect Veiler》
《我が身を盾に/My Body as a Shield》
《大嵐/Heavy Storm》

out 
《大くしゃみのカバザウルス/Kabazauls》×3枚
《収縮/Shrink》
《ダスト・シュート/Trap Dustshoot》
《スターライト・ロード/Starlight Road》

マイクロンもそれを覚悟で、TCS5の相棒として「ラギア」を選定している。事実、メインデッキには《禁じられた聖杯/Forbidden Chalice》《デモンズ・チェーン/Fiendish Chain》とテキスト・アクティベイトに干渉できる札が採用されており、現環境において著しい失墜を見せたラギアを「勝てるデッキ」にまでチューンしてきている。

今回は一戦目で見せたギミックを撤去し、そこに対「TG代行天使」に機能するメタカードを採用している。特に《マインドクラッシュ/Mind Crush》は、「ラギア」というデッキにおいては他のアーキタイプ以上の理由付けが成される一枚である。テキスト・アクティベイトが苦手な「ラギア」だが、特に《冥府の使者ゴーズ/Gorz the Emissary of Darkness》《トラゴエディア/Tragoedia》《朱光の宣告者/Herald of Orange Light》といった手札から機能するカードたちには総じて脆さを見せる。反対に言えば、こちらのデッキが苦手とするカードが絞れているからこそ、他デッキ以上に迷うことなく《マインドクラッシュ/Mind Crush》を使用する事ができるという一点について、「ラギア」に採用されているマイクラは他のマイクラより強力なのだ。

Game:2

二戦目は、むなしの《ライトロード・ハンター ライコウ/Ryko,Lightsworn Hunter》が《レスキューラビット/Rescue Rabbit》経由で登場した《セイバーザウルス/Sabersaurus》を挫いてゲーム開始。サイドインしたカードを全て引き込んでいるむなしを前に、マイクロンは苦戦を強いられる。
”連打”
《神秘の代行者 アース/The Agent of Mystery-Earth》、《TG ワンダー・マジシャン/T.G. Wonder Magician》とアドバンテージゲッターを次々と連発し、むなしはマイクロンを突き放す。そして罠デッキにとって致命傷となる《ブラック・ローズ・ドラゴン/Black Rose Dragon》に繋ぐ事に成功する。
「召喚無効は無いです」マイクロンが放った一言で、むなしの脳内に《スターライト・ロード/Starlight Road》が過ぎる。《ブラック・ローズ・ドラゴン/Black Rose Dragon》は能力を使う事なく、場に留まるに至った。
これ以降、互いが《強欲で謙虚な壺/Pot of Duality》を発動する。むなしは1回、マイクロンは2回発動の機会を得て、《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》、《聖なるバリア-ミラーフォース-/Mirror Force》+《収縮/Shrink》とそれぞれにキー・カードを揃えていく。
”攻防”
7ターン目に熾烈な攻防が繰り広げられる。
《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》には《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》、
《創造の代行者 ヴィーナス/The Agent of Creation-Venus》経由で成立した《ガチガチガンテツ/Gachi Gachi Gantetsu》と《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を展開しパワー3000を超えるアタッカーを送り込んでマイクロンのモンスターに戦闘を仕掛けるも、《デモンズ・チェーン/Fiendish Chain》で《ガチガチガンテツ/Gachi Gachi Gantetsu》の能力がかき消された上で《収縮/Shrink》によって《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を迎撃。後続の《カオス・ソルジャー -開闢の使者-/Black Luster Soldier-Envoy of the beginning》も《神の警告/Solemn Warning》。
”致命的”
圧倒的なまでにゲームを掌握したマイクロン。
あとは1ターンを跨いで相手のライフを奪えば勝利は確実であった。
”一歩”
しかし、「TG代行天使」というデッキは一時の猶予も与えて良い相手ではない。
その事を証明するのに、トップデックから振り落とされた《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》は充分すぎる力を持っている。

  むなし 1-1 マイクロン

ここでタイムアップ。
試合の制限時間は終了し、エキストラデュエルによって勝敗を決める事となった。

むなし サイドチェンジ
In
《スノーマンイーター/Snowman Eater》×3枚
《ライトロード・ハンター ライコウ/Ryko,Lightsworn Hunter》×2枚
《サイクロン/Mystical Space Typhoon》×2枚
《聖なるバリア-ミラーフォース-/Mirror Force》

Out
《リビングデッドの呼び声/Call of the Haunted》×2枚
《カオス・ソルジャー -開闢の使者-/Black Luster Soldier-Envoy of the beginning》
《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》
《神の警告/Solemn Warning》
《神の宣告/Solemn Judgment》
《大天使クリスティア/Archlord Kristya》
《ダスト・シュート/Trap Dustshoot》

マイクロン サイドチェンジ
In
《N・グラン・モール/Neo-Spacian Grand Mole》
《サイバー・ドラゴン/Cyber Dragon》
《マインドクラッシュ/Mind Crush》
《大嵐/Heavy Storm》
《精神操作/Mind Control》

Out
《神の警告/Solemn Warning》×2枚
《神の宣告/Solemn Judgment》
《スターライト・ロード/Starlight Road》
《異次元からの帰還/Return from the Different Dimension》

お互いにライフポイントを損失するカードを外し、三戦目を迎える。

Game:3
エキストラデュエルにおいては、先攻・後攻の再抽選が行われる。
惜敗してしまったマイクロンがどうにか先攻を手に入れる。

先攻《レスキューラビット/Rescue Rabbit》から《大くしゃみのカバザウルス/Kabazauls》2体を展開し、《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》をエクシーズ召喚。
さらに四枚の伏せカードを用意し、マイクロンは最高とも言えるスタートダッシュを披露した。

《聖なるバリア-ミラーフォース-/Mirror Force》と《神秘の代行者 アース/The Agent of Mystery-Earth》を構え、《朱光の宣告者/Herald of Orange Light》をドローするむなし。
三枚の伏せカードを用意し、ターンを終えた。
こうして見えた三枚だけで、《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》を突破する事が出来る。あとは、マイクロンを誘き出すのみ。
”強烈”
マイクロンは、更に《レスキューラビット/Rescue Rabbit》を投下。
この強烈な連打に、観客が一気にどよめく。完全に勢いはマイクロンにあるかと思われる場だった。《セイバーザウルス/Sabersaurus》2体から2体目の《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》を呼び出し、猛攻撃。
しかし、そこには《聖なるバリア-ミラーフォース-/Mirror Force》+《朱光の宣告者/Herald of Orange Light》の合わせ技。これによってマイクロンの《エヴォルカイザー・ラギア/Evolzar Laggia》は全て失われてしまった。
”反逆”
むなしのこの反逆にも、会場が一気に沸く。

《死者蘇生/Monster Reborn》をむなしが見せてマイクロンを投了へ追い込み、デュエルは収束に向かった。

  むなし 2-1 マイクロン
  Result:むなし Win!










■04 BEST16 アルト(福岡)vsFord(神奈川)へ戻る

Tags Categories: Broken Activation, Special Posted By: Tetsu
Last Edit: 29 12月 2011 @ 06 52 PM

EmailPermalink
 

Responses to this post » (None)

 

Sorry, but comments are closed. Check out another post and speak up!

 Comment Meta:
RSS Feed for comments
\/ More Options ...
Change Theme...
  • Users » 4
  • Posts/Pages » 593
  • Comments » 0
Change Theme...
  • VoidVoid « Default
  • LifeLife
  • EarthEarth
  • WindWind
  • WaterWater
  • FireFire
  • LightLight